今日(7/16)のファンダメンタルズ情報

円は3カ月ぶり安値圏、CPI受けたドル高や参院選警戒で149円付近

16日朝の外国為替市場で円相場は1ドル=148円台後半と約3カ月ぶり安値圏で推移。米国で消費者物価指数(CPI)を受けて早期利下げ期待がやや後退し、米金利上昇に伴いドル高が進んでいる。参院選での与党過半数割れや財政悪化を意識した円売りも続いている。

  野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは16日付のリポートで、CPIの詳細からは関税の影響顕在化の兆しがうかがえ、多くの米金融当局者は利下げ再開に慎重姿勢を維持するだろうと分析。「参院選前後で一時的に150円前後にドル・円が上昇する可能性は否定できない」としている。

 6月の米CPIは、食品とエネルギーを除くコア指数が5カ月連続で市場予想を下回ったが、玩具や家電などトランプ米大統領による関税措置の影響を受けやすい一部品目は、数年ぶりの高い伸びを記録した。スワップ市場では9月の利下げ織り込みが5割強と、14日時点の6割強から低下。米10年債利回りは4.48%と約1カ月ぶりの水準に上昇した。

 国内政治リスクを警戒した円売り圧力も根強い。報道各社の情勢調査では、20日投開票の参院選で自民・公明の連立与党の過半数維持は困難との見方が示されている。債券市場では与党敗北が財政拡張につながるとの懸念から、超長期債を中心に利回りが連日で上昇。「悪い金利上昇」との受け止めから円は売られやすく、東京市場もドル・円の149円台乗せを意識した展開が見込まれる。

債券先物は下落、CPI受け米長期金利が上昇-利下げ観測後退

16日の債券相場は先物が下落。米国市場で消費者物価指数(CPI)を受けて利下げ観測が後退し、長期金利が上昇した流れを引き継いでいる。

  三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、債券市場は参院選後に消費減税の実現可能性が高まることを含め、財政が一段と悪化することを織り込む過程にあると指摘する。「参院選で財政の立て直しを主張する党が1つもない状況では金利上昇圧力が長引く」とみる。

米30年債利回り、5.3%前後に上昇を想定-市場で弱気ムード強まる

米国債市場で弱気ムードが強まりつつある。関税に伴うインフレリスクや一部主要国の政府支出拡大への懸念が背景にある。

  JPモルガン・チェースが実施した最新の米国債顧客調査によれば、投資家のネットロング(買い越し)は、過去6週間で最も低い水準となった。この間、市場では米国債の売り圧力が強まっていた。

  6月の米消費者物価指数(CPI)が発表された後も関税の影響への不安が和らぐことはなく、米債への売り圧力が増した。米連邦公開市場委員会(FOMC)が9月にも利下げに動くとの見方は後退した。

  米30年債利回りは6月初め以来で初めて5%を突破した。約5週間以内に5.3%前後まで上昇することを見込む大口のオプション取引も見られた。米30年債利回りは2007年以降、この水準に達していない。

  日本の債券市場でも今週、超長期金利が急騰。参院選で与党の苦戦が報じられ、拡張的な財政政策への懸念が広がった。


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